俺がもっと菜緒の傍にいたら、菜緒は生きていてくれたかもしれない。 俺の記憶から菜緒が薄れなければ、生きていたかもしれない。 そう思えて、仕方ない。 俺が誰を責めたって、俺がどれだけ俺を責めても、菜緒が戻ってくることはない。 そんなことはわかってるんだ。 おばあちゃんがどれだけ泣いても、俺がどれだけ菜緒の隣に座ってても、菜緒が目を開けてくれることは、もう一生ない。 だけど、そう思ってしまう。 自分を責めることしか、俺には出来ないんだよ。