ポケットから取り出すと、やっぱりおばあちゃんからの着信だった。
電話に出るなら廊下に出たいんだけど、授業中にそんなことしたらすぐにバレる。
でも…電話…
仕方なく俺の机の下に潜って、前にいるカンさんから見えない位置に移動した。
ちょっと周りうるさいけど…
「はい。」
「あ…きょ、京平くん?」
「うん。そうだよ。どうしたの?」
菜緒と別れてからおばあちゃんと話すのは初めてで、少し緊張してしまった。
「……」
「おばあちゃん?」
明らかにおばあちゃんの様子が変だった。
「どうしたの?」
「…菜緒が…菜緒が…」
「え……」

