「やっぱここか。」 入って来たのは慎吾だった。 「…お前授業は?」 「テキトーに言って出てきた。」 「そっか。」 「お前やっぱ何かあったんだろ。」 「……」 「どうしたんだよ。」 たぶん慎吾は俺を心配して授業を抜けてきたんだと思う。 それで「どうした」って言われたら、隠せなかった。 きっと話したかったから。 もともと慎吾には話すつもりだったけど。 「昨日…おばあちゃんちに行ったんだ。」 「内田の?」 「そう。話がしたいって言われて。それで……もう十分だって言われた。」 「十分?」