気付いたら、無意識に席を立っていた。 周りの目が一斉に俺に向く。 「どうしたの?氷野くん。」 先生も少し驚いた表情で俺に聞いた。 「すいません、ちょっと調子悪いんで保健室行ってきます。」 先生が何か言う前に、とっとと教室を出た。 っていうか、飛び出したに近いかもしれない。 でもそんなことは気にしていられなかった。 調子が悪いわけはなくて、屋上に向かった。 あのキャラクター。 鈴木が好きだと言ったあのキャラクター。 先生が姪っこにもらったペンケースの柄になってるキャラクター。