「ありがとう、京平くん。菜緒もきっとそう思ってる。」 「……」 「乃亜も…」 「乃亜はいい。」 「え?」 「乃亜は俺が面倒見るから。」 「でも…」 「乃亜は……俺が…」 また急に言葉が出なくなって、無性に泣きたくなった。 でも涙は出てこなくて、よくわからない感情。 その後も泣きながら話すおばあちゃんの話をただ黙って聞いていた。 正確に言うと、黙ってって言うより黙るしかないって感じ。 黙りたくなくても、言葉がない。 結局おばあちゃんにはあまり言葉を返せないまま、乃亜を連れて家に帰った。