「ー…なぁ、山本。」 堀川に背を向けた私に、 聞いた事のないあいつの優しげな声。 ー…その声に 何故かたまらなく振り返りたくなったけど 振り返ったら負けた気がして、 立ち止まったままでいた。 「頼れや、俺に。」 ー…優しい風が吹いた。 草は穏やかに揺れて 【頼れ】と… 優しく、力強いあいつの言葉に ー…胸が…熱くなった。