100万回の愛してる。




その後、教室を出て職員室に向かおうとする沙紀ちゃん。

「なぁ、沙紀ちゃん。」

「…どした?」

真剣な顔をする私に、こんな時空気を呼んで真面目な顔してくれる。

「ごめん、私やっぱ職員室行かれへんわ」

堀川に話したくはない。

あいつも周りの大人と同じ考えをもってる、きっと。

「…そっか。まあしゃーないなっ。男前と話すのは今度にしよーっと♪」

沙紀ちゃんは優しい。

きっと行きたくない理由も、うすうす感じてると思う。

「じゃあさぁー!その代わりに結子の家行きたいねんけど!」

何の代わりやねん、と思いつつも

理由を聞いてこない沙紀ちゃんの優しさにホッとしつつも

「ええよー」と笑顔で答えた。