何、何、何。
何あいつ。
今まで誰にも隠していた事、
あいつは一瞬で気付きやがった。
走っている途中、
廊下にもある放送機から堀川が私を呼び出す声が聞こえたけど
聞こえないふりして教室に戻った。
「ー…結子?」
教室についた私の変わって様子に気付いたのか、
沙紀ちゃんが心配そうに声を掛けてきたけど
「生徒指導おらんかったわ」とだけ言って
自分の席についた。
ピーンポーン…
『3年…何組か分からないが山本結子。
職員室まで来い。』
未だに放送する堀川の声に気付きながらも
机に顔を伏せてうるさい教室の中、
忘れるように私は眠った。

