でわでわセンセーさようなら、と言って
横を通り抜けようとする私に
今度は手首をがシッと掴んできやがった。
「はぁ…何やねん?」
「手首。」
素早く答える堀川に一瞬思考停止。
「手首ー…?ー…ッ!」
慌てて堀川の視線の先を見ると、
そこには着ているカーディガンの袖が捲りあがっていて、
何十本もある赤い線が手首から覗いていた。
真っ白な頭をすぐに整理さして、
バッと堀川の掴む手を振り払った。
「忘れて。」
「山本…お前…」
「忘れて!」
叫ぶように言うと、私は居ても立ってもいられなくなって、
走って職員室から飛び出した。
廊下に飛び出した瞬間生徒指導がどこからか戻ってきたのか
歩くのが見えたけど、それも無視して教室に走った。

