「はあ・・・
 なんでそんなに
 翔太がのことが
 好きなんだよ・・・?」


呆れ顔の和。

今は学校の帰り道。

家が近いから、

時間が合うと

2人で帰ることがよくある。


『なんでだろ・・・?
 助けてっ・・・』


「他のヤツ見つければ?」


『うーん・・・。
 ・・・てかさ、
 なんで和は
 そんなに何回も
 同じこと言うのー?』


「それはっ・・・」



和はいつも同じことを言う。

「なんで翔太なんだよ?」とか、

「もうそろそろ他のヤツ見つけろ」とか。

和はあたしを見た。


「うじうじ愛梨はイヤだから(笑)」


『だったらさ・・・』



あたしは

何も考えず、

ポロッと

本音を言ってしまった。


『和が・・・
 和があたしを
 夢中にさせてよ・・・』


「は?」


目が点の和を見て

我に返った。


『あっ・・・
 ごめんっ・・・
 なんでもないっ』


「・・・」


辛い沈黙が続いた。


「・・・いいよ。
 夢中にさせてやるよ・・・」


『えっ・・・』


「愛梨の眼には、
 俺しか
 見えないようにしてやるよ」


和はいつになく

真剣な顔をしていた。