…。

改めてこうして坂田君の顔を見つめてみると、やっぱりもてる理由が分かる。


男の子にしては長いまつげ、サラサラの茶色がかった髪。

すっと通った鼻筋、薄い唇…。



寝ている顔は起きている時の冷たさなど感じさせなくて、

あどけない中学生の男の子って感じでさらにドキドキする。


…え?ドキドキ?

なんで?






「…斉藤…何?」

「ひぁっ!?やっ、そのっ!なんでも!」

「…そんなに見つめられるとさ、やっぱ。ね?」


何がどうなのかよくわからなかったけど、とりあえず

「ごめんなさいっ!」と謝って本に集中する。