その後、春日は担任であろう教師に引き取られて行き、
歓迎会が始まった。
(歓迎会と言ってもただの部活紹介。)
いつの間にか日和と薫は体育館を抜け出しているし、
優は隣で寝息をたてて寝はじめるし、
あたしもなんか…眠たくなってきた…かも…。
『…っはい!!!次はとうとう軽音部ですよ!!!』
急にマイクの音が大きくなり、
あたしと優はビックリして目が覚めた。
声の主はまた春日だった。
マイクの音が大きくなったわけではなく
春日の声の大きさがただ単に大きいからそうなったのだ。
『皆軽音部待ってたよね!?ね??』
春日がそう言うと体育館は黄色い声に包まれた。
…あー、やっぱり一高の軽音部は凄いんだなぁ。
と思ったけど、黄色い声の中には
春日の名前を呼ぶ声も多数あった。
『え゙。何、春日ってこんな人気あるの!?』
「…だねー。」
『…―じゃ!!!とうとう演奏が始まるよ☆』
春日がそう言うと同時に、
ちらほらと生徒達が立ち上がりはじめた。
『“雛鳥”さんお願いしまーす!!』
体育館の照明が一気に落とされ、
明かりはステージを照らすライトのみだ。
