部活の天使

「まぁ、大体は見ればわかるけどね。」

そう言って笑う岸谷先輩は笑ってない。目が完全に笑ってない。

「怒るのはわかるけどボコるとかはやめろよ。」

碓井先輩は私の頭をポンポン撫でながら岸谷先輩をなだめる。

「ボコりはせんよ。ただちょっとお話をしに行ってくるよ。」

そうニッコリ笑って岸谷先輩は出て行った。

「ちょ、まっ!」

止めようとしたが無駄だった・・・。

「っ~碓井先輩っ・・・」

私は軽く涙目で碓井先輩を見つめると碓井先輩は困った顔をしながら、

「大丈夫だ。あいつはほんとに話しつけに行っただけだから。」

そう言うけどやっぱり私は少し不安が残る。

「はあぁ~・・・」

上から碓井先輩のため息が聞こえる。

見上げると碓井先輩はいつの間にか携帯を開いてて少しいじってから私につきだす。

「?」

私はその行動の意味がわからずボケっとしてると、

「そんな気になんなら電話しろ。」

その時、親指が通話ボタンを押す。

「えぇっ!?」