「……ごめんだけど、そのお願いは聞けない。俺は教師、みんなに平等じゃないと」

「そう、ですか」

枝垂は少し悲しそうに顔を伏せたかと思えば、もう一度顔をあげた頃には笑顔になっていた。

「おかしなこと、言ってすいません。それでは、また明日」

「うん、また明日」

俺は枝垂の後ろ姿が見えなくなるまで見送ってから、自分の机についた。

゙石蕗さんと話さないで゙

その言葉だけが俺の中をぐるぐる廻っている。

あれはだって、なぁ。

……ヤキモチ、だよな。