『長谷川、どうしたんだ?最近元気ないな』と声をかけてきたのは、同僚の亀岡だ


『ああ…元気なんてでないよ』


『帰り飲みにいくか?愚痴聞いてやるから。彼女と上手くいってないのか』と冗談まじりに亀岡が言った


俺はデスクに顔を伏せた

『なんだ…図星かよ…』


『詳しくは飲み屋で…』



仕事が終わり、俺達は行きつけの居酒屋に向かった


カウンターに座り、生ビールを注文すると、亀岡が即効聞いてくる


『喧嘩でもしてるのか?』


『喧嘩どころじゃないよ…距離置こうなんて言っちまったんだ…別れたのと同じだよ』


『そこまで言うなんてよっぽどの事情あったんだろな…』


『うん…俺は結婚したかったのに、彼女は結婚はしないでこのままで付き合いしたいなんて言うんだ…さすがにブチ切れてさ』


『お前も不器用だな。どっちみち女はそんなこと言っても、最終的には結婚したがるんだから…気ままな猫みたいなもんさ、長い目でみれば可愛いって』


『花乃子は頑固だから、そう簡単にはいかないよ…あれから電話もメールもないし』


『お前がすればいいじゃないか』


『男の意地が邪魔をする』


亀岡は俺を見てため息をついた