映画は想像を超える面白さだった


『すごかったですね…圧倒されました』


『俺も。ねえ、晩飯も一緒にしない?』


『じゃあ晩御飯は私が奢ります。私の会社の近くに美味しいお店あるんですよ多分今日まだやってますから』


『無理しなくていいよ』


『大丈夫です。安いカフェですから。部長ともいったことあるんですよ』


『親父がカフェで飯なんか食うんだ。珍しいな』


『部長もイチ押しです』


『少し距離ありますけど、ちょうどお腹空きますよ』


映画館から野ばらまでは結構距離があった


私達は少し歩いてまた電車に乗った



野ばらはまだ営業していた


貼り紙をみると大晦日前日までみたいである


『なにが美味しいの?』


『野ばらカレーがオススメです』


『じゃあそれ食べるよ』


私は店員さんにカレーを二つ頼んだ


『親父もカレー食べたの?』


『そうです。嬉しそうに食べてましたよ』


『へええ。あのさ、その敬語やめてくれない?俺年下だし…なんかくすぐったい』


『部長の息子さんだし…それに尊敬するデザイナーですから…』


『かたいな〜俺は今から花乃子ちゃんって呼ぶよ。だから敬語なし!ね?』


『はい。了解』私はクスクス笑いながら直田さんの顔を見た