お弁当を食べていたら、理恵子がやってきた


『企画通ったんだって?おめでとう』


『ありがとう。忙しくなりそうよ』


『あのさ…健二がまた仕事辞めた…コンビニ』


『ええ!正社員になれたらっていってたのに!』


『辞めたくせにのんびりしてて…今度は飲食店勤めるっていうの』


『もう決めてるの?』


『青山の洋食屋らしい。まったく…相談無しでなんでも自分で決めるんだから。揚げ句の果てになんて言ったと思う?』


『なんて言った?』


『将来的には飲食店経営したいから、ついてきてくれだって…将来的にっていつになるわけよ。私が60くらいになったら結婚?冗談じゃないわ!もう別れてやろうかって思ってるの』


『60は大袈裟よ。器用な人だから、案外独立早いかもしれないし』


『私は20代の綺麗な今、花嫁衣装を着たいのに…健二、少しもわかってくれない』


『彼、まだまだやり残した事あるのかな…私達って上手くいかないわね。私は結婚したくない、理恵子は結婚したい』


『ホント…彼氏が反対なら上手くいってたかも』


私達は顔を見合わせて、苦笑いした