明日から40日間と長い、
待ちに待った夏休みが始まる。
でも、母と長い時間、
顔を合わせることが憂鬱で仕方がない。
勉強は好きではないけれど、まだ家に居るよりは友達が居る学校の方がまだいい。
蒸し暑い体育館での終業式に、少しだけ頭がクラクラする感覚を覚える。
友達と夏休みの計画を立てながら、朝の母の言葉を思い出し、
何度も溜息を吐いた。
「どうしたの?
さっきから溜息ばっかり紗那らしくないね」
心配そうにアタシの顔を覗き込むのは親友の玲。
「んー、ママがさ、
会わせたい人がいるとか何とかで早く帰れって言われて。
面倒だよね。話しはだいたいわかってるんだけどね」
「そっか!
今日はヨシ君のとこに行くんだよね?」
「うん、」
友達とのおしゃべりに夢中で、
いつの間にか校長先生の長い話しも終わり、蒸し暑い体育館から解放されたアタシたちは教室に戻った。

