無我夢中で、 先生の言葉に従いながら…。 「紗那、頑張れ」 時折聞えるアツの声に、 強く手を握り返して。 「もうすぐだ」 「紗那ちゃん、 力を抜いてゆっくり呼吸してごらん」 「ハッ、ハッ、ハッ…」 一瞬ヌルっとした感覚の後、 分娩室に元気な産声が響き渡った。