「紗那、ネクタイして?」


経営者となったアツは、

地味目のスーツにきっちりとネクタイを締めて出勤するようになった。

ネクタイを選んで結ぶのが、

アタシの大切な仕事だった。

そして玄関先でキスをし、

笑顔で送り出すことも…。

沢山の人に愛されながら、

アタシとアツは、

今を大切に{生きる}ことに感謝していた。