アネモネ*~風、君を愛す~



よくドラマや小説であるような、

そんなぎくしゃくした感じはなく、

生まれた時から兄妹だった?

と思えるくらいに兄たちはアタシと沙良を可愛がってくれた。

新しい家族も自然と本当の家族になっていったんだ。

ただ、父のことを、


「お父さん」と


なかなか呼べなくて…。

心の中で、


「ごめんなさい」と「ありがとう」を


繰り返してばかりいた。