アネモネ*~風、君を愛す~



日付が替わる頃、

アタシたちはマンションへ帰って来た。


「ただいま」


「アハハっ」


「どうしたの、アツ?」


「いや、紗那が「ただいま」って初めて言ったから。
ちょっと嬉しくてな」


「えっ…」


そんな小さなことに気付いてくれた優しさに、

アタシはアツの背中に抱き付いた。