アネモネ*~風、君を愛す~



「ヨシ君の家に?
お母さんに迷惑かかるでしょ?」


…そうだよね。

ダメだよね。

いくら娘のように可愛がってくれてはいても、

一緒に暮らすなんて許してくれる筈がない。

黙って下を向くアタシの頭を撫でながら、


「大丈夫だって!
毎日、俺と2人だから、紗那が来てくれたら母ちゃん喜ぶし。おばちゃんがいいって言うなら、連れて行きたいって思ってる。ダメかな?」


「紗那はどうしたいの?」


アタシは母の問いかけに迷うことなく答えた。