アネモネ*~風、君を愛す~



母の思いはとても嬉しい。

だけど、

そんな都合の良いことなんて出来る筈がない。

子供のアタシにだって{再婚}すると言うことがどんなことかぐらいわかるから…。

沙良の不安そうな顔、

アタシは恐る恐る松井さんに尋ねてみた。


「松井さんはそれでいいの?」


そう言うアタシに、


「少しずつでいいから家族になろう。
焦らなくていいんだよ、紗那ちゃん」


松井さんは優しい顔でそう答えてくれたんだ。