アネモネ*~風、君を愛す~



「紗那?」


この時、

アツは初めて、

アタシの名前を呼んだ。

低くて、

でも優しい声で。

そして…

後ろからアタシを抱き締めたんだ。


「ここに居ればいい。
好きなだけ居ていいから」


アタシの目から零れた涙は、

頬を伝い、

アツの腕へと落ちて流れた。

アタシを抱き締めたアツは、

佳矢と同じ匂いがしたんだ。

そう。

タクティクスの匂い、

アタシの大好きな匂いが…。


「ヨシ…」