アネモネ*~風、君を愛す~



無造作に脱ぎ捨てられたサンダル。

サンダルに足をかけた時、

後ろにアツの気配を感じた。


「待てって」


「……」


「帰るとこってどこだよ!
お前さ、家、捨てたんじゃねーの?」


「……」


涙が零れ落ちそうで、

声を出すことが出来ない。


「黙ってないで何とか言え!」


アタシは黙ったまま、

ドアのノブに手をかけた。