アネモネ*~風、君を愛す~



「…綺麗」


「なあ、そろそろ、
名前くらい教えてくんねーか?」


そっと振り返ると、

スーツの上着を脱ぎ、

ネクタイを緩め、

気だるそうにソファーに座っていた。


「……」


「黙ってないで何とか言えよ」


「何でアタシに構うの?
何でここに連れて来たの?」


今にも零れ落ちそうな涙を必死で我慢し、

そう訊ねた。