アネモネ*~風、君を愛す~



アツに腕を掴まれたまま、

ネオン街を歩く。


「アツくーん、
どこ行くの?」


「アツくーん、
その子誰?後で飲みに行くよ」


何人に声をかけられたかわからない。

甘ったるい女の声、

きつい香水の匂い。

何故かアタシは苛々していた。


「店、戻れば?
お客さん来るみたいだし」


アツは何も言わず、

アタシを連れて歩く。


「ね、聞いてんの?
店、戻れば?」


「煩い!黙って歩け」


ネオン街を少し外れた所に在る、

マンションに着いた。

アツはまだ、

アタシの腕を掴んだまま離そうとはしなかった。