アネモネ*~風、君を愛す~



暫らくして真紀ちゃんが、

1人の女の子を連れて戻って来た。


「紗那ちゃん、この子、
アタシの後輩で美也子って言うの。
美也子、おばあちゃんと2人で住んでて、美也子の家、溜まり場になってるから、
そこに暫く居たらいいから。
何も心配しなくていいからね」


「え?でも…、そんな急に…」


「いいって!遠慮なんかしなくて。
ね、美也子」


「初めまして、美也子です。
好きなだけ家に居てもらって大丈夫ですから。
真紀先輩と修二先輩の友達なら大歓迎ですよ」


「ね、紗那ちゃん、そうしなって。
紗那ちゃんを今は1人にしたくないからさ」


「本当にいいのかな?」


「はい。仲良くして下さいね」


「ごめんね。本当にごめんね」


「“ごめんね”はもうなしだよ」


「ありがとう、真紀ちゃん、美也子ちゃん」


こうしてアタシは、

真紀ちゃんと美也子ちゃんのお陰で新しい居場所が出来たんだ。