アネモネ*~風、君を愛す~



隣に座るヨシのシャツの裾を強く握ると、

その手をヨシの大きな手が包んでくれた。

アタシの耳元で、


「頑張ったな、紗那」


って…

アタシはテーブルの下で小さくピースサインを作った。


ヨシの「頑張ったな」の言葉を聞いた瞬間、

安堵からか、アタシの目から涙がスーっと流れて落ちた。


「これで良かったんだよね。
アタシにはヨシがいてくれるから大丈夫」