「勿論、麻希子さんを幸せにするよ。
紗那ちゃんと沙良ちゃんのことも幸せにするよ。
約束する。
彼女が頑張ってきた姿をずっと見てきたんだよ。
彼女を楽にしてあげたい、だから君たちに会いに来たんだ」
見た目とは違い、柔らかな口調で、アタシから目を反らすことなく、松井さんはそう言った。
母と松井さんの真剣な思いが強く伝わってくる。
「紗那?ごめんね」
「何で謝るの。ママ?
幸せになっていいよ、もう楽になっていいよ。
アタシも沙良も大丈夫だから。
頑張ったもんね、ママ」
母の目から零れる大粒の涙。
「ママはアタシと沙良のママだけど、好きな人と幸せになって欲しいから。
アタシもいっぱいごめんね」
アタシの隣で沙良は嬉しそうに大きく頷いていた。

