アネモネ*~風、君を愛す~



朝、母に酷い言い方をしてしまったアタシ。

でも、アタシと妹を必死で育ててきた母の苦労を痛いほど知っている。


「松井さんだっけ?
ママを幸せに出来る?アタシと沙良に誓える?」


「紗那!何を言うの!」


「紗那ちゃん…」


アタシと母の話しを黙って聞いていた松井さんが、

初めて口を開いた。

それはとても低く、

でも優しくて落ち着いた声だった。