アネモネ*~風、君を愛す~



「紗那ちゃん、しっかり聞いて。
佳矢が事故に遭って病院に運ばれたの。
警察の人が直ぐに来てくれって言ってる。
一緒に来てくれるね?
玲ちゃんも志保ちゃんもお願いします」


声が出ない。


「わかりました。
アタシたちも行きます。
浩司と令君のバイト先に連絡していいですか?」


「…お願い」


この時のアタシは、

皆が泣いてる意味を理解することから、

完全に逃げていたんだ。


「嘘よ、嘘。
ヨシ、もう直ぐ帰って来るから」


「紗那、
しっかりして!」


誰の声もアタシの耳には届かない。

アタシは玲と志保に、

抱えられるようにおばちゃんの運転する車に乗り込み、

ヨシのいる病院へと向った。