アネモネ*~風、君を愛す~



ヨシはアタシの頭を撫でながら、


「紗那、明日から夏休みだよな?
家に居るのが嫌だったら、ずっとここに居てもいいぞ。
でも、ちゃんと話しはすること。わかった?」


「えっ?、でも…
許してもらえないと思うよ」


兄のように父親のようにアタシを諭すヨシの言葉で、
アタシの中にあった黒いモノが、少しずつ溶けて流れていく気がした。

大きな心でアタシを守ってくれる人、

アタシの一番大切な人。