アネモネ*~風、君を愛す~



「そうそう、紗那。
さっきおばちゃんから電話があったぞ!
夕方には帰るようにって言ってたけど家で何かあったのか?」


「えっ?何もないよ?」


「ウソつけ!何があった?
おばちゃんとケンカでもした?」


朝、玄関先での母の言葉を思い出して、

渋々ながらヨシに話し始めた。


「そっか。それなら1度帰るか!
俺、一緒に行ってやるから」


「…でも、おばちゃんが一緒にご飯食べようって言ってたし」


「ご飯なんかいつでも食えるだろ?」


「うん、わかった。
ヨシが一緒に行ってくれるなら会ってみてもいいよ、
ママの彼氏に。沙良も不安だろうし」


ここで意地を張っていてもヨシに説得されるのはわかってるんだ。

だからアタシは夕方には家に帰る約束をした。