アネモネ*~風、君を愛す~



友達と別れて、

ヨシの家まで全力で走った。

早く会いたくて…。


「おばちゃん、ただいま」


ヨシの家に着き、

リビングに居るヨシのお母さんに声をかけた。


「おかえり。今日も暑かったね?
紗那ちゃん、麦茶飲みなさい。ヨシは部屋に居るからね」


ヨシのお母さんは、

アタシを実の娘のように可愛がってくれている。


「ありがとう!おばちゃん。
学校から走ってきたから喉がカラカラなんだ」


「そうそう。
今日は夜勤だから一緒に夕飯食べようね」


「うん!楽しみにしてるね」


麦茶を一気に喉の奥へ流し込み、

制服の長いスカートを踏みそうになりながら、ヨシの部屋がある2階へと急いだ。