りんごあめの屋台に行くまでに私は前から来る人たちにぶつかってばかりだった。
それを見て悠が笑う。
「ははっ結衣ぶつかりに行ってんの?」
「ちっ違うから!」
「しょうがないなぁ、はい、」
「え?手、繋ぐの?」
「はぐれるのと手繋ぐのどっちがいいわけ?」
「繋ぐ方がいい…」
「でしょ?ほら、早く」
差し出された左手は昔と違う、男の子の手、だった。
ゆっくりと右手を出すと、がしっと掴まれてゆっくり歩き出した。
私は、今まで付き合ったことなんてなくて
異性と手を繋ぐのも初めて。
初めて繋ぐ男の子の手が悠で良かった。
汗ばんではいないだろうか
繋いだ手から、『好き』と伝わっていないだろうか
私は今、どんな顔をしているだろうか。
悠に引っ張られながら
私の頭の中からりんごあめは既に消えていて、
ただただ繋がれた手を見るので精一杯だった。
それを見て悠が笑う。
「ははっ結衣ぶつかりに行ってんの?」
「ちっ違うから!」
「しょうがないなぁ、はい、」
「え?手、繋ぐの?」
「はぐれるのと手繋ぐのどっちがいいわけ?」
「繋ぐ方がいい…」
「でしょ?ほら、早く」
差し出された左手は昔と違う、男の子の手、だった。
ゆっくりと右手を出すと、がしっと掴まれてゆっくり歩き出した。
私は、今まで付き合ったことなんてなくて
異性と手を繋ぐのも初めて。
初めて繋ぐ男の子の手が悠で良かった。
汗ばんではいないだろうか
繋いだ手から、『好き』と伝わっていないだろうか
私は今、どんな顔をしているだろうか。
悠に引っ張られながら
私の頭の中からりんごあめは既に消えていて、
ただただ繋がれた手を見るので精一杯だった。


