「はぁ……」

家に帰るの嫌だな。親に言いたくない。何言われるか大体想像がつく。


『下ろしなさい』

『子育ては大変』

『まだ学生なんだから』


考えるだけでも憂鬱だ。自然と涙がこぼれてきた。

…どうすればいいか、分からない。



たいちゃん、助けて…。
早く電話ちょうだいよ……。



ホントに私は意気地無し。何も1人じゃできない。泣くことしかできない。


だから結局家に帰るんだ…。



家に帰るまでの見慣れた道のりが、いつもと違うように見えた。涙で滲んでるからかな…。