小学生の頃、私はアイドル歌手だった。

正し、コンサート会場はお風呂場。

観客、一人。私。

お掃除をした後、決まってお風呂のふちに仁王立ちする。
そうすると縦長の鏡に私が写るのだ。

そこで密かにコンサートを始める。
何故かお風呂場で歌うと物凄く上手く聴こえるのだ。


最初の内は窓を閉めきって歌った。
隣近所に聴こえないように。

恥ずかしいもん!


表情もにこやか。
振り付けもバッチリ。


鏡の中の自分にキャー!
素敵ー!

聞き惚れる。


大人になって初めてカラオケに行った。


ショックだった。

懐かしい唄をみんなと歌ったのだが、まるっきり曲に乗れないのだ。


昔アイドルの私はすっかり弱気になった。



だけど今は、少し進歩した。


下手でも音痴でも勝手に振り付けして腰をくねくねしたり、ぶりっ子したり。
演歌を唸ったり。


みんなが面白がって笑ってくれる。

それが楽しい!


昔アイドルは

今や

お笑い芸人に


変身したのだ。


田舎から大阪に来て私も随分変化したものだ。


大人しい私がお笑い芸人になるとは…!


人生色々~♪