退屈でめんどくさい学校の帰り道。
コンビニで雑誌を読んでいたらいつのまにか外は真っ暗だった。


元々買う気はなかった雑誌を棚に戻す。店側には悪い影響を与えたかもしれない。ゴメンナサイ。
自動ドアをくぐったら「ありがとうございました」と言う定員を背にし、家に向かって足を進める。


七月中旬。夏真っ盛りの夜は蒸し暑い。手を使い自分に風を送っても生温い風しかこず、すぐ手をしまう。

少し小腹が空いた。
スカートのポケットに手を入れると小さなナイロンの袋を取り出す。
中には色とりどりのコンペイトウ。
暗い所でも淡い色をしているコンペイトウを三粒ほどつまんだ
赤と青と白。
綺麗なこの色が好き
三粒一気に口へ運ぶ。
甘い味が口に広がる
「甘」
つい口に出てしまった。

「にしても…ホント毎月よく送ってくるなぁ。まったく『こんぺいとうおじさん』は」

そう呟きながら上を見たら案の定空は深い黒で星が点々と光ってる。


「あれ?」

少し変化があった

「あ!流れ星」

うっわー初めて見た流れ星。ってこういう時は願い事を言うべきだよね。
いざ考えると何を願うか迷ってしまう。

「お小遣い…いやなんかあ!新しい靴!いや違う…あぁ流れ星が流れちゃう!」


こうなったらどうにでもなれ!
やけくそになって素早く両手を組み目を閉じる。
「『こんぺいとうおじさんに逢えますように』!」

早口で言ったあとそっと目を開けた。

「はぁ…高校生にもなって何やってんだか。世の中そんなに甘くないのに」

手を離してぷらぷらと振った。

「もう消えちゃったかな?」

もう一度上を見た。すると大きな光が見えた。

「…あ、あれ?嘘?嘘だよね?やだ…来てる!?こっち来てる!?」

空の彼方から光が信じられないスピードでこっちに向かってた。

「直撃したら…即死だよね?」

おもいっきり私に向かってきてるんですが!?
私死因光直撃死!?
新しい死に方!感激もできないから!
光は容赦なく猛スピードでこっちに向かってくる。

「や、やだ…私死にたくない!まだ…まだこんぺいとうおじさんに逢ってない!」

涙目になりながら首を振る。最後の悪あがきに両手でガードして怖くて目をつぶった。

途端に爆音が響く。