ガサッ……ガサッ…… 「っ!」 ニャーオ 「なんだ、猫。驚かさないでよ」 真っ白な猫、まだ子猫と呼べるくらいの大きさだ。 ニャオ、ニャオ 「……柿」 地面に一つ落ちているそれを前足で転がしている。 「いくら猫でも食べ物を遊び道具にしちゃダメよ」 私がその柿に触れた時だった…… とても懐かしい感覚に包まれたような、 そんな心地がしたんだ。