イケナイ関係。

そして放課後――・・・・・。
いつものようにタケちゃんがあたしを校門の前で待ってくれていた。

「タケちゃんっ！待たせてゴメンねっ！」
笑顔でタケちゃんの元に駆け寄る。
「十和っ！！」
タケちゃんの表情が一気に明るくなる。
あたし達は手をつないで歩き出した。


「ねえ？タケちゃん。」
「何？」
「あたしね・・・。タケちゃんといたらすっごい落ち着くんだあ。なんかね・・・ほっとする。ここがあたしの居場所なんだなって思うんだ。」

するとタケちゃんはしばらく黙っていたが静かに微笑んだ。


「俺はね、十和といたら落ち着かないんだ。いつもむしょうにドキドキしてて。嫌われないかな、とかほんとに俺のこと好きかな、とかそんなことばっかり考えてる。俺、不安になるくらい・・・十和のこと好きだよ。好きすぎて怖い。」


あたしは真剣なタケちゃんの顔に見とれていた。



あたしのこと・・・こんなふうに考えてくれてたなんて・・・知らなかった。今までじっくり見たことなかったけど・・・タケちゃんてこんなキレイな瞳してたんだ・・・。


あたし達はどちらとも言わずに自然にキスをした。
優しくて甘くて軽く触れるだけのキス。
タケちゃんのキスはいつも触れるだけ。それだけなのに・・・タケちゃんの気持ちが溢れるほど伝わってくるんだ。
「大・・・好きっ・・・。」

そしてタケちゃんは強く強く抱きしめてくれた。
「じゃあ・・・また明日。」
ゆっくりと離れていく腕。
「ばいばい。」


タケちゃんは何度も振り返って手を振って微笑んでくれた。
その度にあたしも笑って手を振り返した。