「好き。」
あたしがそう言うと幹は優しく強く抱きしめてくれた。
「幹は・・・あたしのこと好き?」


何度も確かめるように聞いた。




「好き・・・。」
幹はそう優しく耳元で囁くとキスを交わした。




そして幹はすぐ唇を離すとあたしに背を向けた。



好きって言うだけなのに・・・あんなに照れてる・・・あんな可愛いとこあるんだあ・・・。


初めて見る幹の一面に驚きながら幹の顔を見上げた。
すると幹は照れ隠しに目をそらしてあたしの手を握った。

「ひゃっ!?」
突然の出来事にあたしは思わず声をあげる。



「寒いから家帰んぞ。」
手を強く握ったまま歩きだした。



「やっぱり冷え性なんだ??」
「うるせー。」
あたし達は屋上の出口の階段へと向かった。












そしてその先の未来へと歩き出した―――・・・・。




    -完-