タケちゃんの家に着くとおばさんが迎えてくれた。
「猛。いきなり飛び出して・・・一体どうしたの?」
おばさんはそう言った後、あたしの姿を見て全てを悟ったようだった。
「おばさん・・・すいません。こんな夜遅くに・・・。」
「いいのよいいのよ!!最近全然十和ちゃんがうちに来なくなったから心配してたのよー!部屋に上がりなさい。」
「はい。」



あたし達は無言のままタケちゃんの部屋へと向かった。
タケちゃんと付き合っていた頃は家族ぐるみでの付き合いで、おばさんもおじさんもみんなあたし達が付き合ってることを知っていた。




前はしょっちゅう来てたのに・・・久しぶりだなあ・・・。なんか懐かしいや・・・。この臭い・・・。



あたしが沈黙を破った。
「おばさんに・・・まだ別れたこと言ってないの?」
「・・・うん。十和は?」
「あたしも・・・言ってないや・・・。」


それどころじゃなかったしそんなの忘れてたよ・・・・。
気まずくてすぐまた重い沈黙・・・。