好き、の先には

暁先輩、顔、整ってるな。
目がきれい。吸い込まれそう。
はっきり二重で、ちょっと垂れてる。
あ、左目の下、泣きぼくろだ。

何か、色っぽい…



暁先輩から目が離れない。


「ねえ、芙実ちゃん。」



郷田先輩に呼ばれて、ハッとする。



「え?何ですか?」



「ケー番、教えて?」



「……」



「無理?」



「……です。」



「どうしても…?」



「どうしても……」




これが、私、渡辺芙実と、先輩、本村暁高の出会いだった。