好き、の先には

そんな事を考えながら家までの道を歩いていたら、


「あ!芙美!久しぶり〜元気だった?」


そう言って手を振りながら、前から小走りで近づいて来る子がいた。
同中だった友達、冬子(とうこ)だ。
冬子は違う高校だけど、どちらの学校も方向が一緒だから同じ路線バスを使っている。


「あ〜冬子じゃん。元気、元気!同じ方向なのに、全然会わないね。学校、どう?」


「当たり前だけど、女子高だから女だらけ。でも、それはそれでいろんな意味で楽しいよ。
それよりさ、芙美の学校の2年生に川野先輩っているんだけど、知ってる?」


「川野先輩?知るわけないよ。同じ1年だってよく知らないのに。」