「私たちもうダメなのかな・・・」
私は思わず弱音を吐いてしまった。
それを聞き逃さなかったタイヨウは。
「お前は俺と一緒にいたいって思わねぇのかよ?!
俺はこのままずっとツキの隣にいてぇと思ってるけどそう思ってるのは俺だけか?!」
って私に向かって言い放った。
「そんな事ない私だって一緒にいたい!」
そう言って私は一粒の涙を流した。
そしてタイヨウは「ごめん」と言って私を強く抱きしめてくれた。
その夜私たちはひとつになった。
次の日―。
タイヨウは真剣な顔で私に話してきた。
「えっ?」
私はそう言うしかなかった。
他に反応できなかった。他の反応の仕方なんて思いつかなかった。
タイヨウが私に真剣に話した事とは、
タイヨウには兄がいた。でも、その兄は3歳の時に肺炎で死んでしまったらしい。
その事があってかお母さんは子離れできないらしい。
それにタイヨウの家は実業家。時期後継者のタイヨウには見合いで相応しい女性と結婚させようとしているらしい。
タイヨウは兄が亡くなってから生まれた子で会った事は一度もないらしい。
「うちの親は俺を跡継ぎにするためだけに産んだんだ」
タイヨウは言った。
この時私は初めてタイヨウの歪んだ心を見た。
だからあの時タイヨウは両親の事を話したくないような反応を取ったんだ。
そんな事ないよ。タイヨウの両親はタイヨウの事をちゃんと愛してくれてるはずだよ?
って言おうとしたけど止めた。
だってタイヨウと出会う前の私はそれよりももっと酷い事想像してたんだから。
人に言えた義理じゃない。
