「ん…」

…アレ?
ウチってこんな天井だっけ?

綺麗…。

天井から垂れ下がる、淡いピンクの薄布に手を伸ばす。

それはベッドの全体を覆っていて――…ってコレ、乙女の憧れ、天蓋付ベッドじゃない!?

がばちょ!!

半身起こしたあたしの視界に広がる、豪華な部屋。

ゆ、夢でも見てるのかな???

「目が覚めたか」
「!」

声の方を振り向くと、そこには、深い海の色をした髪の、王子様と言わんばかりの服装の青年がっ!!

「え?あ、あなたは…?」
「オレはスタッド。
ナイトリバー王国の王子だ」
「王子様っ!?」

だよねー!
そんな出で立ちですもの!

「お前の名は?」
「あああ天ノ河流々子…」

キョドッて名乗る事すら、ままならない、あたし。

「アアアアマノガワルルコ?
長いな。
略してアルコで」
「略すなぁっ!」

あ、しまった。ついツッコミを。

「言葉遣いが成っていないな。
それでもオレの妃となる女か?」

――え?
今なんとおっしゃいました???

「そんなマヌケな顔をするな。
オレだって、お前のような女が、運命の相手として召喚されて、大いにショックを受けているのだ」