到着。


班ごとに固まって自由行動になった。

でも咲は廉とくっついて、離れない。

なんとなく、颯太と行動していた。

「ねえ」
「…ん?」
「初めてだな」
「何が?」
「ふたりっきり」

仲見世に入ってから、咲たちはどこかに行ってしまい、
あたしたちふたりしかいなかった。

そういえば、まるっきりふたりのときはなかった。

「俺、桜花の事、もっと知りたい」
突如、彼が言った。

「なんで?」
「…お前が女子の中で、一番…話しやすいから」