『じゃあ、俺からも言わせて貰うけど‥陽菜だって本当の俺の姿を知ったら幻滅するかもな?』

『私は‥』

そう言い掛けたとき、龍二もさっきの私の行動と同じように、右手で両手を掴んで抑えた。

『本当の俺は、お前が思っているよりも嫉妬深くて、独占欲が強くて、めちゃくちゃH
だって知ってたか?』

返事をしたくても龍二と唇が重なっているから声が出ない。少しの間、唇を離してくれたが、返事を返すことより息をするのに必死で声が出なかった。

龍二の顔がゆっくりと近づいてきたので思わず目を瞑ってしまった。すると、私のおでこに軽く触れるくらいのキスをした。思っていた行動と違う行動をとったので不思議に思い、ゆっくりと目を開けた。すると、何故か龍二が微笑んでいた。


『昨日の続き‥したいんですけど。俺の部屋に来ますか?』

誘い方が可笑しくて、私は龍二の胸に顔を埋めた。

『‥連れて行ってください』

龍二はクスッと一度笑ってから、軽々と私を抱きかかえてベッドまで連れて行ってくれた。


『今日は携帯が鳴っても途中で止めたりなんかしないからな?』

『はい(笑)』

『それから‥』

そう言ってポケットの中を探っていた。しばらくすると、何かを見つけたらしく笑みが零れていた。

首を傾げていると、私に向かって軽く微笑み、突然何も言わずに激しいキスをしてきた。私はキスに集中することに精一杯で自分の身に何が起こったの分からなかった。

唇を話してくれた後、肩で呼吸をしている私を見ながら頻りに左手を気にしていた。


『私の左手そんなに気になる?‥‥ん!?』

私はある異変に気付いた。

『バカ!鈍感』

耳を真っ赤に染めて私から目を逸らした。嬉しくて嬉しくて、じっと眺めていると龍二が耳元で囁いた。


『愛してるよ、陽菜』

私は両手で口元を押さえ、大粒の涙を流して喜んだ。


私も愛してるよ、龍二。

愛してる愛してる‥もうこの気持ちは誰にも止められない。










【完】